マンガでわかる!タイ進出入門ガイド – 「はじめに」
監修:JETRO Bangkok

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登場人物

ワイズ君(28)
ワイズ君(28)
大学を卒業後、地元の製造・販売を手がける某メーカーに勤務する入社5年目の平社員。営業部に所属。
ビジネスコンサルタント 福田 淳
福田 淳 ビジネスコンサルタント
アークエンタープライズ代表取締役。バンコクと東京を拠点にビジネスコンサルタントとして創業・起業、市場開拓、事業再生など総合的な支援を展開。
Bangkok Housing Guide(BHG) 川中さん
川中さん Bangkok Housing Guide(BHG)
日タイで、不動産一筋20年。日系企業のタイ進出支援を軸に、工場、オフィス、住居、投資物件などの仲介・売買といった、不動産に関わるあらゆる業務に携わる。
JETROバンコク投資アドバイザー 長谷場 純一郎
長谷場 純一郎 JETROバンコク投資アドバイザー
2000年、日本貿易振興会(現機構)入会。10年チュラロンコーン大学留学(タイ語)。12年にバンコク事務所のダイレクターに就任し、15年7月からは投資アドバイザーも兼務している。
JETROバンコク投資アドバイザー 高谷 浩一
高谷 浩一 JETROバンコク投資アドバイザー
1986年に総合商社入社以来、30年間自動車を中心とする輸送機の輸出営業に携わる。 海外駐在はシンガポール、フィリピン、米国、インド、タイの5カ国通算で21年越。


なぜ今、タイ進出なのか

 ご存知の通り、我が国は、2020年の東京オリンピックを前に、訪日インバウンドによる国内需要増が見込まれるとはいえ、中長期的には、人口減少や少子高齢化などによる国内市場のシュリンクは止められない。そこで多くの企業は、長期的な経営戦略の中で、国外に活路を求め、海外進出する企業が増加傾向にあるのは周知の通りだろう。

 中でも「世界の成長センター」と言われるASEAN(東南アジア諸国連合)では、2015年に、域内人口6億人の単一市場となるASEAN経済共同体(AEC)が発足。生産拠点及び市場として捉えたサービス事業など、海外進出を検討する上で外せない地域だ。

 とりわけ、タイは製造業の産業集積により経済発展を遂げ、製造・販売の両拠点としての価値は高く、近年では、隣国である後発開発途上国(カンボジア、ラオス、ミャンマー/CLM)を加えたタイプラスワンの動きや、広域事業展開の中心的な役割も担う。

投資促進を呼びかけるタイ政府

 タイは、いわゆる“中進国からの罠”の脱却を目指し、“EEC”=Eastern Economic Corridorの略で、日本語では東部経済回廊という、タイ政府が最も注力する巨大国家プロジェクトをぶち上げる。タイ東部沿岸地域のチョンブリー、ラヨーン、チャチューンサオの3県にまたがり、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)といった次世代自動車をはじめ、医療、航空、ロボットなどハイテク産業の特定業種の投資促進と陸海空インフラなどを一体的に開発。スワンナプーム、ドンムアンなどバンコクの既存空港とEEC域内のウタパオ空港を結ぶ高速鉄道や域内3港湾整備、スマートシティなど、5年間で1.5兆バーツ(約5兆円)というインフラ投資予算を官民で予定する。当然、タイ政府が望むのは民間資金による整備。外資の参入障壁の撤廃や税制改正など投資環境の整備を整え、さらなる投資促進を呼びかけている。

 それに呼応する形で実現したのが、2017年9月11〜13日、世耕弘成経産相の訪タイに合わせJETROが主催した、過去最大規模(約600人)の日本の経済視察団とのビジネス交流だ。タイが求めたのはEECへの日系企業による、さらなる投資。視察団の表敬訪問を受けた、プラユット暫定首相は「EECは今後、20年に渡って整備される一大国家プロジェクトです。法律で定められた構想なので政権が代わろうとも続きます」と信用を求めた。

 非製造業にとっては、中間所得層が増え、魅力高まるマーケット“バンコク”だが、製造業が狙うのは、今後20年に渡って整備が進むEECだろう。日系企業にとっては、どれだけ享受できるのか、号砲は鳴らされたばかりだ。

※EEC(東部経済回廊)についての解説記事はこちら

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