【Manufacturing Expo 2019 出展企業インタビュー】既存設備をIoT仕様に

Manufacturing Expo 2019

Manufacturing Expo 2019 出展企業インタビュー

既存設備をIoT仕様に
注目集まる「フランケンシュタイン・プロジェクト」

タイ工業省に属するプラスチック産業開発財団「Plastic Institute Of Thailand」は少額の投資で工場にIoT技術を導入するソリューションを開発。東南アジア最大規模の工作機械・工具・金属加工技術の見本市「Manufacturing Expo 2019」で披露する。クリアンサック・ウォンプロムラット氏に展示内容の他、業界の現状や今後についてインタビューした。

今、プラスチック産業から注目を集めている事業があるのだとか

当研究所の事業はプラスチック生産に関わる企業への情報提供、企業における人材や商品の開発支援など多岐に渡るのですが、今特に注力しているのは生産現場のIoT化を推進する「フランケンシュタイン・プロジェクト」です。
これは既存の工場設備に付属センサーを取り付けることでIoT機能を付与するもので、小説の「フランケンシュタイン」のごとく、古い機械をバージョンアップします。
このプロジェクトは1台につき8万9,000バーツから導入可能で、とにかく価格水準を低く抑えようと努力しました。多くの企業はまだまだIoT化に着手できていないのですが、それは最新鋭の設備を新たに購入するために多額の投資が必要と思われているためです。
当研究所は大手IT企業のMFECパブリックカンパニーと共同で、既存設備を活用することで少ない資金でIoTの恩恵を受けられるソリューションの開発をスタートし、この度「Manufacturing Expo 2019」にてお披露目することとなりました。

日系企業や投資家からの反応はいかがですか

現在、既に日本の企業や投資家からこのプロジェクトに協力したいという声を頂いています。IoTによる恩恵は製造業に多大なメリットをもたらすので、この事業への期待値は大きいのでしょう。
今回の展示会でPRするのは、機械の熱などを可視化するモニタリング技術です。機械温度の推移をしっかり分析・管理することで故障を未然に防ぎ、省エネを実現します。人が熱を計って体調管理するのと同じようなものですね。
今後は商品の生産数量や品質の管理機能、トラブル時に遠隔で電源を止めるシステムなどを付与できる技術を提供していければと思います。政府も「タイランド4.0」を提唱し、生産効率の向上を推進している中、「フランケンシュタイン・プロジェクト」はその一助になれると確信しています。

新規設備の導入は不要
圧倒的な低コストを実現

その他、話題となっている最新技術はありますか

実はタイではサトウキビ由来のバイオプラスチック生産が盛んで、世界をリードする立場にあります。非効率なプラゴミ処分、プラゴミの海洋汚染でエコの意識が高まる中、注目度の高い技術です。
一方で、タイは3R(リデュース・リユース・リサイクル)の考えが十分に広がっておらず、それは近い将来、企業の成長を妨げるでしょう。当研究所は優れたリユースシステム、効率的にゴミを処理する仕組みを企業に普及し、持続可能な発展を支援したいと思っています。そこで参考にしたいのが、日本のシステムです。日本が誇る世界屈指のリサイクル技術を学び、タイのエコロジー推進に繋げたいですね。

企業への多面的なサポートも積極的に行っていますね

現在は企業への商品開発支援を積極的に行っていますね。というのも、これまでタイのプラスチック製造業者は他社ブランドの製品製造(OEM)を中心とした受注だったのですが、それでは取引先の景気に仕事量が左右され、経営が安定しません。そこで、今は徐々に自社ブランド製品の製造に切り替えようと、各社商品開発に力を注いでいるのですが、当研究所が微力ながら関わっています。現在は包装資材や医療機器などの製品開発をサポートした実績があります。
また、セミナーやEラーニングを通じて、技術者の養成にも努めています。技術レベルを測る試験を実施し、学習意欲を促進させる他、企業へのコンサルタントやリサーチなど、プラスチック製造に関わる企業の発展に繋がるあらゆる事業を実施しているところです。

息抜きはどのようにしていますか

仕事終わりにはバドミントンで汗を流しています。学生の頃からやっていたわけではなく、きっかけはダイエットでした。8年前から始めたのですが、当時は体重が110kgもあって、太り過ぎで薬を処方されていたほどだったのです。
さすがに危機感を覚え、運動することになったのですが、バドミントンには思いの外熱が入ってしまって、気づいたときには体重が35kgも減っていました。今は薬を飲む必要がありません。仕事のメリハリにも繋がっており、私にとってワークライフバランスを保つ上で重要なものになっています。

PLASTIC INSTITUTE OF THAILAND

事業内容:プラスチック産業への支援活動

PRESIDENTDr.Kriengsak Wongpromratクリアンサック・ウォンプロムラット

02-391-5340-3
MIDI Building, 86/6 Tri Mit Alley, Khwaeng Phra Khanong, Khet Khlong Toei, Krung Thep Maha Nakhon 10110
plastic.oie.go.th
kriengsak.w@thaiplastics.org

生産効率向上へ情報技術を融合

同研究所は既存の機器をインターネットにつなぐソリューション「フランケンシュタイン・プロジェクト」を提供し、IoTの普及を目指す。

  • 9万B未満の低価格

    新たにIoT機能の付いた設備を購入しようとすると、多額の初期投資費用は避けられない。一方、既存設備を活用する「フランケンシュタイン・プロジェクト」なら、8万9000バーツ〜の価格で導入することが可能だ。

  • 既存設備へ手軽に導入

    設備にセンサーを取り付けるだけで、機器とインターネットを接続できる。導入期間も短い。情報技術を活用した課題抽出、効率化はいかに多くのデータを得るかが肝なため、導入時期は早期に行いたいところ。

  • リモコン1つで複数管理

    運用上のメリットとしては、同プロジェクトによりIoT化した機器はリモートコントローラー1つで操作できる点が挙げられる。これなら気軽に携帯し、工場の遠隔管理を実現することができる。

最先端の製造技術を企業にレクチャー

プラスチックの製造技術は進化している。びっくり箱のようなバネ付きのギミックを再現したり、熱に強い機能性フィルムを開発したり、プラスチックの可能性は日進月歩で拡大。同研究所はセミナーや従業員研修を行い、最新テクノロジーの普及を促している。

  • 生分解性素材

    生物資源から作られたプラスチックは自然界にて分解可能。環境配慮の意識が高まる中、今後急速に導入事例が広がると期待される。

  • 複雑成形

    複雑な形状の加工ノウハウは同研究所の技術研修を通じて企業と共有。理論だけではなく、実践も交えてエンジニアの指導にあたる。

  • 機能性素材

    ガス封入や加熱耐久などの機能性を持ったプラスチックフィルムは包装資材などに活用。賞味期限の長期化や電子レンジ加熱対応など、製品の高付加価値化に役立てる。