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日本政府観光局(JNTO)「100万人突破がさらなる追い風に」

日本政府観光局(JNTO)「100万人突破がさらなる追い風に」

「100万人突破がさらなる追い風に」

《プロフィール》
バンコク事務所長 小沼 英悟
おぬま えいご
■1968年生まれ。茨城県出身。同志社大学卒業後、特殊法人国際観光振興会(JNTOの前身)採用。台湾台北市(2000年~2004年)、中国上海市(2008年~2015年)駐在を経て、2018年3月から現職。
■愛読書:旅行記
■趣味:筋トレ、旅行
■バンコクの行きつけの店:キッチン新潟
■よく見るまたは、活用しているウェブサイト(自社以外):タイの大手旅行会社


タイの訪日旅行客数が100万人を突破しました
実は、昨年11月に突破し、年間(タイの)訪日旅行者数は113万人となりました。今回の突破は、東南アジアの送客市場では初です。これまで、日本でインバウンドと言えば韓国、台湾、中国といった近隣の東アジア中心でした。実は2013年にタイ人の訪日観光ビザが免除になった頃、JNTO 内では「東南アジア100万人プロジェクト」を掲げていたんです。それが、タイだけで突破したわけですから訪日旅行市場において想定以上のインパクトですよ。

17年には、成長が鈍化しました
一時ですが、訪日旅行者数の成長が鈍化しましたが、17年10月に国際民間航空機関(ICAO)がタイの航空当局に出していた「重要な安全性の懸念」を解除したことで、18年は航空各社による日本向け航路の新規就航や増便が相次ぎました。航空座席量が増えたことで、伸び率が二桁増まで回復し、今回の結果に繋がったというのが背景ですね。今年も、すでに新規就航や増便の計画が、公表されているだけでもいくつかありますし、供給座席量が増えれば、タイからの訪日旅行者が増えることは確実でしょう。

まだまだ日本は魅力的だと
日本の外務省が行った対日世論調査で、「日本についてもっと知りたい情報(分野)は何ですか?」という質問で、ASEAN10カ国中、タイだけがあらゆる情報の中で「観光情報を知りたい」と挙げる割合が最も高いんです。

効果的なPR手法はありますか
多くの方から旅行者を誘致する方法として斬新な手法を聞かれるのですが、特効薬はありません。最も大切なのは継続性ですね。タイよりも訪日旅行市場が成熟している中国や台湾での駐在経験から言えるのは、一発逆転ホームランではなく、地道にPRを継続することで着実に増やすということだけですね。成功例で言えば、震災を経験した東北でしょうか。2016年度から、JNTOは東北地方を集中的にプロモーションする「東北観光復興プロモーション」を東北6県と緊密な連携を取りつつ世界各地で展開しています。その結果、2018年のタイ人の東北6県での延べ宿泊者数は10月までの実績で震災前2010年の約9倍に増えています。ちなみに韓国は今なお震災前の水準に戻っていません。

2020年は東京五輪もあります
100万人突破により、タイの訪日旅行市場への注目度はさらに向上し、ますます日本側によるプロモーション活動が活発化するでしょう。日本政府は、2020年に訪日外国人旅行者数4000万人、旅行消費額8兆円を目指しています。JNTOとしては、国が掲げる目標の達成に最大限貢献するべく取り組んでいきます。

具体的には?
観光庁によるタイ人旅行者向け対面調査によると、「旅行出発前に役立った情報源」として最も支持が多いのがJNTOが運営するタイ語のWebサイトでした。実に4人に1人がJNTOのWebサイトを見てから旅行に来ているのです。ウェブサイトでの情報発信には今後も注力していきます。タイ人の訪日旅行者の7割はリピーターです。JNTOとしては初心者とリピーターの両睨みで、誘致を進めますが、東北のような直行便がない地域は訪日慣れしたリピーターを狙うなど、戦略的にプロモーションを実施していきます。タイの地方からの誘致に関しても、従来以上に注力していきます。

タイにきて約1年ですね
台湾4年、上海6年と華人マーケットで10年経験を積ませてもらいました。その経験を生かしていきたいですね。仕事柄、休日はタイ国内及び周辺国を旅行しています。当事務所の管轄がタイ及びカンボジア、ラオス、ミャンマーですので、状況を把握する意味でもできるだけ足を運びたいと思っています。

Japan Tourism Award in Thailand 2018の表彰式。タイの訪日旅客数100万人突破記念のモニュメント