長谷場:2000年代に入るとタイだけではなくASEANの国々にとって企業誘致という面で強力なライバルが出現します。中国です。1992年以降に改革開放を加速させ、2001年11月に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟したことで共通のルールに基づいて貿易ができるようになったので、さらに企業が中国に注目するようになったんです。

ミィ:世界の工場って呼ばれてますもんね。

長谷場:国にとって「企業に来てもらう」ということは、選挙に立候補して選んでもらうことと同じです。そのためには企業の進出先として魅力的でなければなりません。このことがこの時期の規制緩和につながったんです。

ミィ:選挙、人気集め、誘致合戦ですね。よーく分かります、その気持ち・・(涙)。

長谷場:規制緩和という点では、2002年に外国語でのサービスを主に提供するコールセンターをBOIがサポートする事業に加えました。

ミィ:電話のお問合せ先ですよね?

長谷場:そうです。本来、コールセンターはサービス業なので日本企業の100%子会社では進出できなかったのですが、これ以降は可能になりました。また「日本人1人を継続して雇用するためにはタイ人を4人雇用しないといけない」というビザ延長時のルールがあるのですが、コールセンターはBOIの対象事業となったことで、このタイ人の雇用義務も適用されなくなりました。

ミィ:電話してくる人が日本人なら、さすがにタイ人で全て対応するのは難しいですもんね。

長谷場:日本で売っている商品の「お客様サポートセンター」に電話すると普通に日本人が対応していて違和感がないのですが、実は電話はバンコクに繋がっている、ということが起きているんですよ。