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【第70回】高齢者の収入 大半の生活費は月1万バーツ以下

【第70回】高齢者の収入 大半の生活費は月1万バーツ以下

長谷場:タイの高齢者数は2017年の統計で1131万人でした。以前も説明しましたがこれはタイの統計なので60歳以上の人数です。このうちの37.7%にあたる426万人は働いています。

ミィ:どんなお仕事ですか?

長谷場:高齢者の方の職種で圧倒的に多いのが農業・漁業で254万人、次にお店などのサービス業が72万人となっています。農業は都会ではあまり行わないので、地方で高齢者が農業に従事している姿が目に浮かびますね。
最近、タイ政府が「農業の近代化」を重要政策にしているのですが、この農業従事者の高齢化という問題もその背景にあるんだなと思います。また、パパ・ママショップで働いている高齢者も多いですね。

ミィ:でも、働いていない人の方が多いですよね? 収入はどうなっているんですか?

長谷場:高齢者の収入は、次の表のようになっています。この表は年間所得なので、とても収入が多いとは言えません。

ミィ:ほとんどの人が月1万バーツ以下で生活しているようですね。

長谷場:ただ、81.0%の高齢者がご自身または配偶者の家に、10.4%が子供の家に、4.9%が親または親族の家に住んでいるので、家賃が必要ないようです。さて、質問です。同じ調査で高齢者に「あなたの主たる収入は何ですか?」と聞いて、ひとつだけ回答してもらいました。一番多かったのは何でしょうか?

ミィ:年金ですか?

長谷場:タイは年金や社会保障が充実していません。答えは「子供からの支援」でした。身近なタイ人の方に聞いてみていただくと、きっと毎月の給料の3分の1とか数千バーツを親に渡している人が多いと思います。

ミィ:“育ててくれた親を助ける”ということが文化になっているんですね。

長谷場:高齢者の主な収入についてのアンケート結果は次の表のとおりです。

長谷場:実はこれには男女差があります。男性はこの質問に「仕事」と回答した人が41.9%、次いで「子供からの支援」が27.3%でした。一方、女性は「子供からの支援」が40.8%、次いで「仕事」が22.1%で逆転するんです。

ミィ:男性の方が年をとっても働くのですね。

長谷場:60歳以上の高齢者のうち、男性は508万人、女性は622万人いるのですが、働いている男性は213万人、女性は137万人となっていて男性の方が働いている人が多いんです。

ミィ:ところで、この高齢者手当って何ですか?

長谷場:これは高齢者に国から払われる年金のようなものです。詳しくは次回説明します。

—次回に続く