【第53回】EEC(レムチャバン港)

長谷場:レムチャバン港はイースタンシーボード計画の中でも巨大プロジェクトとして開発され、1991年に開港したということを少し前に説明しました。

ミィ:完成する前のメインは、クロントゥーイのバンコク港でしたよね。

長谷場:バンコク港はチャオプラヤー川にある河川港なので深くできない(深く掘っても土砂ですぐに埋まってしまう)という弱点がありました。船が大型化すると水面下にある部分も深くなるので深い港が必要になってきます。

ミィ:そうかぁ、レムチャバン港なら、海だから大型の船でも大丈夫な深さにできるんですね。

長谷場:深海港(Deep Sea port)と言います。さらにレムチャバン港の周りは広大な土地があるので、少しずつ拡張を続けて大きくなってきています。

ミィ:EECの勉強のためにレムチャバン港の事を詳しく教えてください。

長谷場:よーし、郊外に行くと時々、トレーラーに引かれた大きなコンテナを見ることがありますよね。代表的な大きさのコンテナとして、20フィートと40フィートの2種類があります。一部の例外を除いて高さ(2.6m)と幅(2.4m)は同じなのですが長さは20フィート(約6m)、40フィート(約12m)と違っています。

ミィ:高さと幅が同じだからどんどん積み上げることができるんですね。

長谷場:はい。港に行くとコンテナが高く積まれていますよね。さて、港の大きさを比べるために「何個のコンテナが一年間に取り扱われたか?」という数字を使うことがあります。しかし、コンテナにいくつかの種類があるので単純に「個数」での比較ができません。

ミィ:小さいのばっかりや、大きいのばっかりだと個数では比べられないですもんね。

長谷場:そこで、港の大きさを比べる際にはTEU(Twenty-foot Equivalent Unit)という単位を使います。英語からわかるように、これはコンテナを「20フィートのコンテナにすると何個か?」という単位です。次の表は2016年のコンテナ取扱量で比較した港の世界ランキングです。

長谷場:これによるとレムチャバン港は世界20位(723万TEU)にランクインしています。

ミィ:えー、日本のどの港よりも上位ですね。日本は、東京港の31位(470万TEU)が最高で次が神戸港の58位。レムチャバン港は日本の1位と2位を足したぐらいの規模になっているということですね。すごーい!!

長谷場:実はこのランキングには悲しい話がありまして、1994年は神戸港が世界6位(日本では1位)だったんです。それが1995年の阪神大震災で大きなダメージを受けてしまい、港が復旧するまでの間にコンテナ船の経由地が他の国の港に行ってしまって、一気にランキングを落としてしまいました。そして、一度離れてしまった船はなかなか戻ってこなかったんです。

ミィ:えーん。戻ってきて欲しいよー。

長谷場:レムチャバン港の開発計画はまた次週。

—次回に続く

※2018年、週刊ワイズ連載「ミイ泰ビジネスを学ぶ」より
http://www.wisebk.com/