長谷場:さて、今回は前回説明したEEC開発計画の中から2024年に完成予定の「ウタパオ・スワンナプーム・ドンムアンの3つの国際空港を結ぶ高速鉄道」について解説します。なぜこの話から始めるかというと、現時点で計画が一番進んでいるからです。

ミィ:わー、早く乗りた〜い。

長谷場:この計画は全長220kmになる高速鉄道です。しかし全てを新しく建設するのではなく、一部は今あるエアポート・レイル・リンクと建設中のレッドラインを活用します。レッドラインはドンムアン空港に高速道路で向かうときに左側に見える建設中の高架鉄道で2020年に完成予定です。

ミィ:ドンドン出来ていてワクワクしますね。

長谷場:ウタパオ空港からバンコクに入ってくる列車はスワンナプーム空港でエアポート・レイル・リンクと接続します。この区間は160kmあるのですが、新設される駅はウタパオ空港、パタヤ、シラチャ、チョンブリー、チャチューンサオの5駅だけです。
この新しく高速鉄道を建設する予定地のかなりの部分にタイ国鉄が既に電車(在来線や貨物)を走らせています。このタイ国鉄が持つ土地の上に高速鉄道が走ることになります。

ミィ:残りの土地の確保も順調だといいですね。

長谷場:そしてウタパオ空港から新設された線路を通ってエアポート・レイル・リンクに乗り入れた高速鉄道はドンムアン空港に向かいます。

ミィ:え? 乗り入れ? 高速鉄道って新幹線みたいなのですよね? エアポート・レイル・リンクの線路を走れるのですか?

長谷場:安心してください、走れますよ!

ミィ:ふるー(笑)。

長谷場:エー、オッホン。その理由はエアポート・レイル・リンクの線路の幅が日本の新幹線と同じ標準軌(1.435m)になっているからなんです。このような例は日本でもあって、例えば、山形新幹線は在来線の線路幅を標準軌に変えたことで、在来線と新幹線が同じ線路の上を走っているんです。

ミィ:そうなんですね。でも、あれ? エアポート・レイル・リンクはパヤタイまでですよね。

長谷場:そうです。そのためパヤタイからバンス―駅までをタイ政府はMissing Linkと呼んでいます。ここも今回の計画で繋げてバンス―から先はレッドラインの線路の横を走ってドンムアン空港まで行くんですね。

バンス―駅は近い将来、鉄道のターミナル駅になる予定で巨大な構造物ができつつあります。

ミィ:タイ最大の北バスターミナルもありますし、交通の起点になりそうですね。

長谷場:ところで前回このプロジェクトには官民連携(PPP)方式が導入されるという説明をしました。しかし、タイ政府は「この高速鉄道プロジェクトだけだと赤字になって誰も応札してくれない」と思ったようで、マッカサン駅周辺の150ライ、シーラチャ駅周辺の25ライの土地開発の権利も付けて入札し2019年1月に落札者を決定することになっています。

ミィ:来週は、終点のウタパオ空港について教えてくださーい。

—次回に続く

※2018年、週刊ワイズ連載「ミイ泰ビジネスを学ぶ」より
http://www.wisebk.com/