長谷場:前回まで3回にわたって「イースタンシーボードがどのようにして今の状態に発展してきたのか?」ということを勉強しました。今回からその「イースタンシーボードと呼ばれるエリアをさらに発展させよう」という東部経済回廊(EEC: Eastern Seaboard)開発計画とその背景について解説します。

ミィ:これまで勉強してきたことを生かして、未来を考えるわけですね。

長谷場:最初に、この計画の背景として世界経済の中でのタイの位置づけを理解しないといけません。タイは経済的な発展段階としては中所得国に位置付けられます。この中所得国って何かわかりますか?

ミィ:AKBグループが活動している国、カナ?

長谷場:コラー、チュウショトクコク!

ミィ:昼食濃く? あっ、ランチブッフェ!

長谷場:コラー、所得が中間ぐらいの国だー!

ミィ:ひー、最近忙してく、今日もお昼ご飯を食べてないんですよぉ〜。うぇ〜ん・・・。

長谷場:BNK48は、今すごい人気ですからね。でも、勉強は勉強。今週も行きますよ。実は世界銀行が提示している国の発展の基準があります。この基準は計算で導き出されていて、毎年変わるのですが2017年は一人あたりのGNI(国民総所得)が996~12,055ドルの国を中所得国としています。

ミィ:ずいぶん幅がありますね。

長谷場:そのため、世界銀行は表のように中所得国を低位と高位の二つに分けていて、タイは高位中所得国の方に入ります。

ちなみに日本は38,550USドルで、タイは5,960USドルでして、6倍ぐらい違います。低所得国が発展していく時にはこの表の上に向かって所得が少しずつ増えていって中所得国、高所得国となっていくのが理想ですね。ジャンプアップして低所得国がいきなり高所得国に上がれればいいのですが、そうはいかないので。

ミィ:地道に努力。コツコツと。

長谷場:しかし、中所得国から高所得国になろうとすると、低所得国の安い労働力で作る安い製品に競争で負けてしまい、高所得国とは技術力に差があるため追い付けず、中進国のまま成長が止まってしまう、ということが起きるんです。階段で言うと“踊り場”で止まってしまって上の階(高所得国)に行けない状態。これを経済用語で「中所得国(中進国)の罠」、英語ではMiddle-income trapといいます。

ミィ:高所得国になるには、それに見合った産業が必要なのですね。

長谷場:タイ政府はこの「中進国の罠」に陥らず「中所得国から一気に高所得国(先進国)に行くぞ!」ということを考えました。そのために示されたのがThailand 4.0というビジョンです。もともとはドイツで始まったIndustry4.0がこのビジョンのヒントになっています。

—次回に続く

※2018年、週刊ワイズ連載「ミイ泰ビジネスを学ぶ」より
http://www.wisebk.com/