長谷場:さて、前回で洪水の話は終了で、今回はタイの最低賃金のお話です。

ミィ:きゃー、給料アップぅ〜。

長谷場:かわいくおねだりしてもダメです。さて、タイの最低賃金はだいたい年に1回の見直しが行われています。もちろん少しずつ上がる傾向で、下がったことはありません。では問題、1991年のバンコクの最低賃金はいくらだったでしょうか?

ミィ:でた、いきなりの質問タイム。え〜とっ、 25年ぐらい前ですよね。ズバリ、100バーツ!

長谷場:正解!

ミィ:へっへーん! 勉強してますからねー。

長谷場:タイ経済に明るくなってくれて、教える方としては嬉しいですね。で、そのバンコクの最低賃金は91年に100バーツだったのが01年に165バーツ、08年に初めて200バーツを突破して206バーツとなり、インラックさんが首相に就く直前の11年に215バーツとなっていました。

ミィ:おお、20年かけて115バーツ上がったんですね、ほぼ二倍ですね。

長谷場:はい。11年までは非常にゆるやかに引き上げられてきました。ところが…。

ミィ:え? 下がっちゃったの・・・、ヤダ。

長谷場:安心してください! 下がりませんよ(笑)。ファーストカー政策の時にも少し話しましたが、11年の7月に選挙がありました。その時に勝ったインラックさん率いるタイ貢献党の選挙公約の一つが「(選挙に勝ったら)全国一律で最低賃金を300バーツにします」というものでした。

ミィ:やったー! 嬉しいこと約束してくれますね。

長谷場:そう、インパクト大です。バンコクにいるとあまり感じないかもしれないのですが、地方ではまだまだ最低賃金で働いている人が多いんです。そして、11年当時はほとんどの県の最低賃金が200バーツ以下でした。そういう方々にとってこの公約は「インラックさんが勝つと給料を大幅に上げてもらえる」ということになり、投票する理由にもなったんですね。

ミィ:給料が1.5倍以上になるって魅力的ですよ〜。おいしいもの、たくさん食べられる〜。

長谷場:インラックさんが選挙に勝って13年には実際に全ての県で300バーツになりました。それまでは各県で金額が違っていたのですが、この時初めて全国一律になりました。

ミィ:分かりやすくていいですね。

長谷場:ところが、地方の中小企業は「バンコクと同じ金額で商品が売れるわけでは無いのに、同じ給料なんて払ったらシンドイ!」という問題が生じました。

ミィ:えー、せっかく上がったのにぃ〜。

長谷場:そこでクーデターが起こった後、プラユット政権はしばらく最低賃金の引き上げを凍結し、2017年から再び地域別の最低賃金を導入するようになりました。ただし、一度300バーツになった県を引き下げることはしなかったので、開きはそんなに大きくはないです。では、続きは来週!

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—次回に続く

※2018年、週刊ワイズ連載「ミイ泰ビジネスを学ぶ」より
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