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【第35回】BOIタイ投資委員会(ファースト・カー政策)

長谷場:前回は「タイで作られた自動車のいくつかの車種は日本に輸出されて売られている」ということと、その背景を説明しました。

ミィ:自動車の生産台数はどんどん増えていますが・・・2013年から減っちゃってますね。

長谷場:これはBOIの政策とは違うのですが、ファースト・カー政策というインラック政権の政策が大きな要因になっています。以前も説明しましたが、タイで自動車を購入しようとすると物品税という「贅沢税」がかけられています。

ミィ:車は贅沢品なんですね〜。

長谷場:日本から輸入している車にはさらに関税と物品税がかかっているので、日本で買う値段の倍以上になってしまうんですけど、タイで生産されてタイで販売される自動車にもこの物品税はかかっているので、日本で買うより少し高くなってしまうんですね。エコカーというからには環境にやさしくなければなりません。そのため、第1次エコカー政策では5リットルの燃料で100キロ走行できること、二酸化炭素の排出量を1キロあたり120グラム以下にすること、環境基準はEURO4に従うこと、といった条件がありました。

ミィ:贅沢するなら、その分の税金を払ってね、ということですね。

長谷場:そこで、10年の選挙の際にインラックさん率いるタイ貢献党は「初めて自動車を購入する人には物品税を最大10万B返してあげます」ということを打ち出します。

ミィ:おお! 太っ腹〜!!

長谷場:この政策には「100万バーツ以下で排気量1500cc以下の乗用車またはピックアップトラックの『購入予約』を12年末までにすれば」という条件が付いていました。12年に加え、予約をした人の多くが実際に購入した13年はタイ国内の販売台数が急増したんです。

ミィ:お得に買えるチャンスですからね。

長谷場:「何年か先に自動車を買おうかな?」と思っていた人も「税金が戻ってくる時に買ってしまおう! 借金をしてでも買おう。その方が得だ!」と考えた訳です。このため、この政策が終わった後に車を買う人が減ってしまったので、14年以降は急激に生産台数も減ってしまいました。要するにこの政策は「需要の先食い」になってしまった側面があるんです。

ミィ:そうか〜。数年は新しい車、買わないですものねー。

長谷場:問題は、この時に自動車メーカーや部品メーカーが最大で合計300万台の自動車を生産できるまでに工場を拡張したり機械を買ったりする設備投資を行っていたことなんです。それなのに国内で自動車の販売台数が激減してしまい、生産台数が200万台を割り込んだ状態が14年から続いています。工場が6割程度しか稼働していない状態なんです。

ミィ:うわー、投資失敗!

長谷場:でも、最近は明るい兆しも出てきていています。このファースト・カー政策で自動車を購入した人たちが買ってから5年を経過して買い替え始めたみたいで、今年は去年より10%以上多く、国内で売れています。

ミィ:一度マイカー持ったら、バイクに戻るのはイヤなんでしょうね。

長谷場:さて、このようにタイが少ししんどい時期だった15年にBOIが大きな方針転換をしました。詳しくは次回!。

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