長谷場:これまでいろいろと勉強しましたね。ちゃんと覚えていますか?

ミィ:覚えてますよ—。どうして日系企業がタイに多いのか、裾野産業、プラザ合意、GDPに、えーと、トムヤンクン!

 長谷場:ははは、アジア通貨危機のことをトムヤンクン・クライシスって呼んでますが。正月ボケですね。

ミィ:昨日食べたトムヤンクンが美味しかったんです。えへへへ・・・。

長谷場:でも、ちゃんと覚えていてくれて良かったです。ミィさんは優秀ですからね。では、新年らしいテーマで、アジア通貨危機の後、どう経済が回復していったかのお話をしようと思います。通貨危機の問題点は何だったかな?

ミィ:えーと、固定相場制に、ドルの蓄えが少なかったことですよね?

長谷場:実は2017年11月時点で1兆2,612万ドルあります。

ミィ:え? 1兆2,000万ドルって120兆円!?

長谷場:えーと、レートにもよりますが、今だと150兆円ぐらいですね。

ミィ:ひぇ〜、150兆円? 凄い金額ですね。そんなに必要なのですか?

長谷場:日本はそれだけ経済規模が大きいということです。貿易などでたくさんの外貨を稼いでいますからね。昔は貿易摩擦と国際社会で問題になりました。

でも、ASEANの国々のようにひとつの国としては経済規模が小さくて外貨準備が十分にない国もあります。そういう国は前に出てきたヘッジファンドのような人達に狙われやすいんです。

ミィ:でた。非情なビジネス。

長谷場:そこで、2000年5月にASEANの10カ国と日本、中国、韓国の3カ国で「ある国で危機が起きたら、危機が起きていない国が外貨を貸してあげましょう」という約束をしたんです。これをこの約束が締結された場所の名前にちなんで「チェンマイ・イニシアティブ」と呼んでいます。

ミィ:どういう意味があるんですか?

長谷場:ッジファンドは狙った国の外貨準備(米ドル)が限られていて、それ以上の通貨(例えばバーツ)を売ることで大儲けをしました。でも、狙われた国の外貨準備が少なくても、危機になれば他の国がたくさん貸してくれるという事が分かっていれば、より多くのお金を用意しなければなりません。だから、この取り決めはヘッジファンド等に対する牽制の意味合いが大きいんです。こういった取り決めは、世界中のいろんな国の間でされていて「通貨スワップ」とも言われています。

ミィ:小さい国を大きく見せることができるって訳ですね! やるー♪

—次回に続く

※2018年、週刊ワイズ連載「ミイ泰ビジネスを学ぶ」より
http://www.wisebk.com/