長谷場:3回に渡って説明してきた「アジア通貨危機」は分かってもらえたかな?

ミィ:ビジネスの世界は厳しいと…。

長谷場:そうですね。アイドルの世界も厳しいですよね。何万人という応募者のオーディションを経てデューするわけですからね。

さて、日本人の間では「アジア通貨危機」と呼ばれていますが、タイではウィクリッ・トムヤムクン(英語ではトムヤムクン・クライシス)などと呼ばれています。タイ人の中にはこのころの話をするときに「トムヤムクンの時にあの会社はつぶれた」なんて表現をする人もいますね。

ミィ:タイだからトムヤムクンなんですね(笑)

 長谷場:ところで、アジア通貨危機に見舞われた国々に対して一番たくさんのお金を出して助けたのが実は日本だったんです。

ミィ:へぇ。日本は何をしたんですか?

長谷場:1998年10月に経済回復のための中長期の資金支援として150億ドル、経済改革を推進していく過程で短期の資金需要が生じた場合の備えとして150億ドル、合わせて全体で300億ドル規模の資金支援枠組みの提供を表明したんです。

ミィ:え? 300億ドルって3兆円!?

長谷場:えーと、当時のレートは約120円ぐらいだったので3兆6千億円ぐらいですね。当時の大蔵大臣(今の財務大臣)の名前を取って新宮沢構想と呼ばれています。

ミィ:そんな大金を日本は危機にあった国にあげたんですか?

長谷場:いやいや。「あげた」のではなくて、300億ドルの枠を設定して一時的に「貸した」のです。

ミィ:ですよね〜。びっくりしたぁ(笑)。

長谷場:れでもタイ人の中にはこの時の日本の支援のことを覚えていて、今でも感謝してくれている人がいるんです。東日本大震災の時にタイにいたんだけど、多くのタイ人から「トムヤムクンの時には日本が助けてくれた。今度は我々が助ける番だ!」って声をかけてもらったよ。

ミィ:助け合いは大事ですね。

長谷場:相手が困っているときに助ける。ビジネスでも鉄則だよ。ミィさんも恩は忘れちゃだめだよ。

ミィ:はい、先生に教えてもらっている恩は忘れません。

長谷場:おっ、イイこと言うねぇ。では、アジア通貨危機を起こした人たちのことを何というか覚えているかな?

ミィ:え、え〜と・・・。

長谷場:忘れちゃダメだろ—!

ミィ:ひー、ごめんなさーい。

—次回に続く

※2017年、週刊ワイズ連載「ミイ泰ビジネスを学ぶ」より
http://www.wisebk.com/