【第09回】GDPを正しく理解していますか?(後編)

長谷場:前回はGDP(国内総生産)の話をしました。でも、世界には中国やインドみたいに人口が10億以上の国もあれば、タイのように6,500万の国やもっと少ない国もあります。そうすると、GDPは国の経済規模の大きさを見る指標ですから……。

ミィ:当然、人口の多い国はGDPも大きくなりますよね?

長谷場:そう。だから、このGDPを人口で割った数字を1人あたりGDPと言って、その数字を比較することで、その国に住んでいる人の豊かさを測る指標にしています。この1人あたりGDPですが、2016年に日本3万8,917ドル、マレーシア9,390ドル、タイ5,908ドルでした。

ミィ:あれ、今度はマレーシアの方がタイより大きいですね。

 長谷場:そうですね。マレーシアの人の方がタイより一般的にお金持ちという事になるね。さて、次によく経済の「調子が良い」とか「調子が悪い」という話を聞きますよね? それはこのGDPがどの程度、増えたか減ったかで測ることができます。

ミィ:前年比って言ってますね。

長谷場:はい。日本みたいにGDPが大きい国とタイを、増えた「金額」で比べてもあまり意味が無いので例えば前年に比べて何%増えた、という「割合」で比べるんです。物価の変動を加味したこのGDPの増減割合を「実質経済成長率」と言います。例えば、日本は2016年1.00%の増加でしたが、タイは3.2%の増加でした。

ミィ:タイの方が日本より経済の調子がいいという事ですか?

長谷場:はい。そうなります。ただ、気を付けないといけないのは、この数字は働いている人の数(労働人口)が急激に増えているような場合、高めに出てしまいます。そのため、経済を見る「一つの指標」として捉える感覚が大切です。

ミィ:感覚を養わないといけないんですね。

長谷場:さて、タイの実質経済成長率はプラザ合意後に日本企業の進出が増えた87年から急激に伸びていきます。非常に好調な時期が続きました。こちらのグラフを見てください。0000

ミィ:おお、87年から急に増えてますね。あれ、この97、98年の凄い落ち込みは何ですか?

長谷場:いつも良く気がつきますね。97年に何が起きたのか、次回から解説していきます。

—次回に続く

※2017年、週刊ワイズ連載「ミイ泰ビジネスを学ぶ」より
http://www.wisebk.com/