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【第03回】タイの家電(前編)

長谷場:前回は、最も関連日系企業が多く、タイ最大の基幹産業である自動車業界について説明しました。今週からは、第2の業界でもある家電について学んで行きましょう

ミィ:はい、バンコクの街中に日本車が溢れている理由がよくわかりました。

長谷場:ハハハ、文字通り溢れていて渋滞なのですが、それを解消するのも日本の技術が生かされればと思います。

さて、タイにおける電気・電子機器メーカーは、大手が約50社、中小を合わせると300社を超えると言われています。製造品目は、テレビ、ラジオ、扇風機、換気扇、冷蔵庫、エアコン、電気釜、電球、蛍光灯、蓄電池、乾電池、汎用モーター、トランス、配電機器、電話機、オーディオ製品などですが、高級品はまだ輸入に依存しています。

ミィ:テレビや冷蔵庫などの生活家電の多くは、メイドイン“タイ”ということですね。日本、韓国メーカーが多いのは、私も知っています。でも、扇風機はタイメーカーの方が多い気がします。

長谷場:おお! よく見てますね。Hatari製品をよく目にします。比較的簡単な家電製品は、タイメーカーも増えていますね。日本だって、昔は欧米品が先行していたんですよ。ソニーや松下電器のトランジスタラジオからはじまり、今の日本の家電業界を牽引するメーカーの努力によって、国産化、そして海外へと進出していったんです。

ミィ:モノづくり大国ニッポンですね。

長谷場:今風ですね(笑)。1979年、当時はジャパン・アズ・ナンバーワンと海外で評されていたんですよ。日本は学ぶ側から、学ばれる側になったのです。

ミィ:タイもその流れにあると。

長谷場:同じわけではありませんが、タイでも多くの製品の部品は、国産化が進んでいます。ただ、中枢部品はまだ輸入に依存しているものも多く残ります。タイ政府は、国産化率をさらに高めるために、単体部品よりキット化された部品の輸入関税を高くするなどの税制措置、投資奨励法による投資奨励策、政府の行政指導などの措置を講じているんです。

そうして、1982年から、冷蔵庫、エアコンの心臓部であるコンプレッサーの生産が開始されました。

ミィ:はい、税制優遇は、自動車業界の歴史でも学びました。政府の導きは大きいですね。

長谷場:お、ちゃんと覚えていてくれましたね。では次回は、家電製品が家庭にどれくらい普及しているかです。

—次回に続く

※2017年、週刊ワイズ連載「ミイ泰ビジネスを学ぶ」より
http://www.wisebk.com/