【第30回】今こそ日本再生を真剣に考えよう(後編)

国家の役割の議論に戻ろう。国家の役割が「国民の財産の保護」にあるとしたら、日本は戦後の敗戦国という位置づけの中でアメリカの積極的な指示を受けて「自衛隊」という世界でも有数な軍隊を保持し得るところまで来た。

外交とは論理を使った戦争

日本は世界の秩序を作り上げるためのもう一方の武器である「論理」をうまく使おうとしない。島国で同質国家である日本は古来より「論理」を使う必要性が乏しく、この訓練がなされていない。

しかし「外交とは論理を使った戦争」なのである。中国や韓国から論理を使った外交戦争を仕掛けられた日本は何ら防戦するわけでもなく、一方的に傷を広げている。さらに悪いことに、戦後の出発点となった「敗戦加害国」としての日本の立場を否定するような安倍政権の取り巻きの発言があり、時としてアメリカからも不信を買う有様である。中国・韓国からの外交攻撃で日本は世界で孤立する危険性が出てきている。

自国の利害関係

次なる日本の非常識は、世界中の国が自国の利害関係を考えて動いていることをわかっていないことであろう。日米間の安全保障条約があるため「有事に際しては無条件でアメリカが日本を助けてくれる」と信じている日本人のなんと多いことであろうか。アメリカは必要であると考えれば、日本を助ける可能性が残っている。しかし、日本はアメリカの植民地ではないのだから、独力で生き方を考えなくてはならない。日本が今しなくてはならないことは、アメリカが同盟国として日本を大事にするだけの価値を作り出すことである。

2000年頃までの日本は、それでもアメリカにとって価値のある国であった。その価値とは「製造業における技術保持国」「世界一の資金余剰国としてアメリカへの資金補填」「中国・ロシアに対しての軍事要塞」の三つである。

しかし、日本は製造業の技術をせっせと中国・韓国に提供し、今や日本の技術力の優位性はほとんどない。外貨準備高世界一の地位も中国に譲り渡し、今やアメリカは中国の顔色を気にせざるを得ない状況にある。日本の軍事的価値についても沖縄の基地問題に代表されるように日本は全く協力的ではない。さらに最近の軍事技術の発展によって対中国・対ロシアへの前線基地は沖縄を引き払い、フィリピンに後退しても影響ないという話も聞く。

こうして見てくると、日本はアメリカにとって価値の低い国に成り下がってしまったのである。今でこそ米第一主義のトランプ大統領が登場し中国敵視政策をとっているが、オバマ大統領の頃は日本を素通りして、せっせと中国との直接交渉を行っていたのである。

世界の中で日本の地位を高めるには

歴史を振り返ると第1次大戦以降、日本はアメリカと極めて親密な関係を築いていた。しかし、中国の行った反日キャンペーンがアメリカで火を噴き、日本は孤立し第2次大戦へと突っ走っていったのである。私は政治の専門家ではない。尖閣諸島問題や従軍慰安婦問題など何が正しいのかを議論するつもりはない。私が強調したいことは、日本が世界の現実を直視し、世界標準の考え方を理解することである。さらに、世界の中で日本の地位を高めていくためには、まず経済力や技術力を立て直し、世界中に日本の行動が理解されるような「外交的発信力」を高めていくことである。

—次回に続く