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清水銀行「アナログな信頼関係がビジネスを生む」諸田 幸生

「アナログな信頼関係がビジネスを生む」

《プロフィール》
バンコク駐在員事務所長
諸田 幸生
もろた ゆきお
■1972年生まれ、静岡県出身。京都外国語大学卒業後、1996年4月に清水銀行入行。本部や支店など6営業所での勤務を経て、2017年7月より現職。
■座右の銘:桃李不言下自成蹊(司馬遷「史記」)
■尊敬する人物:田宮俊作タミヤ会長兼社長
■愛読書:開高健作品、原田マハ「楽園のカンヴァス」
■休日の過ごし方:ゴルフ、プラモデル製作


事務所開設から2年が経ちました
当事務所も他の地銀と同様に、取引先のタイ進出支援が主な業務です。現在、70社以上の取引先をタイに持ち、金融サポートを行っています。当行はバンコック銀行と提携し、スタンドバイ・クレジットによる金融支援を実施しているため、お客さまはバーツ建てで融資を受けることが可能です。現地法人が親会社から日本円で借り入れる場合、仮にバーツ安になれば収益が圧迫されます。そういった為替リスクを回避できるのが、スタンドバイ・クレジットの大きなメリットです。
担当エリアはASEAN、バングラデシュです。それぞれの地域金融機関と協力しながら、インフラや市場などの現地情報調査、ビジネスマッチング、販路拡大も手がけます。
当行はASEAN地域に進出した地銀の中でも規模が小さいので、きめ細かいサービスで差別化する必要があります。当行では「アナログイズム」と呼んでいるのですが、お取引先と密にコミュニケーションを取りながら、ニーズの抽出・対応を図っています。銀行業務はデジタル化が進んでいますが、顧客と真摯に向き合い、信頼関係を築いていく必要があるのは今後も変わらないでしょう。当事務所も、お客さまそれぞれに合ったオーダーメイドのソリューションを提供していきたいと考えています。

地域文化の発信にも取り組んでいるのだとか
静岡の豊富な観光資源をタイ人にアピールし、交流人口の増加を目指しています。日本人には馴染みが薄いかもしれませんが、静岡には南アルプスや駿河湾などタイ人が喜ぶ風光明媚なスポットが多いんです。また、静岡市はアユタヤ王朝時代に日本村の領主としてスペインからの侵攻を防ぎ、後に王女と結婚した英雄「山田長政」の出身地として、毎年タイフェスタが開かれるなど所縁が深い場所としても知られています。
さらに、静岡にはプラモデル大手のタミヤがあり、出荷額が静岡市だけで全国の88%を占めるなど、模型の聖地としても有名です。そこで、静岡は「模型の世界首都」として国内外にアピールし、地方創生に繋げようと企図しています。タイでも、サイアムタミヤが販路を広げたおかげで、模型文化が普及しています。当行もイベントを通じ、静岡とタイの有力なブリッジになりうるプラモデルの魅力を発信しているところです。
スポーツでは、プロサッカークラブの「清水エスパレス」が昨年末、当行の90周年特別協賛の下、静岡の小学5〜6年制を対象にタイのジュニアチームや児童養護施設と交流戦を行うイベント「サッカーキャンプinタイ」を開催しました。23人の参加メンバーはサッカー交流を通じて大きく成長しました。10年後、彼らが新社会人として静岡とタイの架け橋となる仕事に携わってもらえれば幸いです。

タイでの経験は国内業務にも活きそうです
こちらに来て痛感したのは、「静岡がいかに恵まれた地域か」ということですね。観光や文化、現地企業などいずれもまだまだ十分に静岡の魅力を発信しきれていないのが現状です。一方で、静岡はもっと元気になる、伸びしろがあるとも思っています。日本に戻っても、静岡の良さを当たり前と思わず、しっかりと発信して地域振興につなげたいですね。
また、タイでの業務は良い社員教育になると、当行90周年にあたる昨年は若手社員ら24人がタイで研修を行いました。この2年間で、プライベートを含め来タイした社員は64人を数えます。ローカルなイメージの強い地銀ですが、世界規模のダイナミックな仕事ができる企業であると、社員が気付くきっかけになったのではないでしょうか。

休日はどのように息抜きを
プラモデル作りに邁進しています。「タイ国際旅行フェア(TITF)」の静岡ブースでは自作のプラモデルを展示していますよ。今年の目玉は「フェラーリ」でしたが、次回は「ゼロ戦」を飾る予定です。出来はまだまだですが、年内には完成させたいですね。
6月からは高柳和真駐在員(右)も赴任