SINGHA ESTATE – 新しい価値を築き上げる

「Not Me Too」精神で
新しい価値を築き上げる

CEO
Naris Cheyklin
ナリス・チューイクリン
SINGHAと聞けばビールのイメージが先行するが、飲料だけではなく多岐に渡る事業を展開。その不動産事業を担う「SINGHA ESTATE」では昨年、商業複合施設「SINGHA COMPLEX」をオープン。設立5年で急成長を遂げた戦略についてCEOのNaris氏に尋ねた。


設立から現在に至るまで
弊社はシンハービールの生産・販売事業を行う「Boon Rawd Brewery」の子会社です。タイの不動産会社「Rasa Property Development(以下ラサ)」を5年前に買い取ったことがきっかけで、新たに不動産会社を設立するに至りました。当時のラサには何も資産がなかったので、弊社の資産を投入。多くの不動産を作り上げ、この5年間で7倍の資産にまで増やすことができました。

 

会社を早く成長させるため、すでにある資産を売るだけでなく、新しい資産を買い、利益を出す。投資額が大きいこともあり、挑戦的な仕事でした。また、社員をまとめる組織作りにも尽力。

 

設立時は私も含めて、社員は5人でしたが、現在は300人に。この立ち上げでの社員教育は、ビジネス以上にやりがいのあるものとなりました。

 

急成長できた理由は?
他社にはない2本立ての企業方針により、リスクを分散させたことが挙げられます。一つはコンドミニアムや住宅を自社で建設販売すること。そしてもう一つはオフィスビルやホテルの賃貸業を行うこと。前者は収入が多いが長く続かない。後者は収入が少ないが長く続く。この二つを並行することで、停滞なく成長を続けてきました。加えて資産(物件)を買い、弊社でリフォームから運営まで、クオリティの高いサービスを提供する「Smart and Precision」も一因でしょう。

 

例えば、ピピ島にある「Phi Phi Island Village Beach Resort」は2014年にホテルを買い取り、当初150あった部屋を201に増築。ラグジュアリーな空間提供と一流のサービスも伴い集客増加に繋がり、利益も倍増しました。これは多くの課題を解決したことによる成長だと自負しています。

 

大切にしていることは?
私たちのモットーは「Not Me Too」。つまり他人と同じことをしないことです。他社は安価から高価まで幅広い物件を提供していますが、私たちはプレミアムな富裕層にターゲットを設定。販売価格は安くありませんが、クオリティやサービスには絶対的な自信があり、お客様にも理解してもらえています。この質の高いサービス提供こそ、もっとも大切にしていることです。

 

今、タイの地価が上がっているのは、「今買って、後で売る」を多くの企業や個人が行っているからです。しかしこの流れは長く続かないとわかっているので、弊社は参戦しません。土地の価格ではなく価値あるものを建てること、そして提供するサービスによって価値を加えていく。これからもこの姿勢は変わりません。

 

そして「持続的な発展」も大切です。つまり、どこでビジネスをしていても、環境を壊さないということです。ホテル・住宅街の建設時も使用した水を洗浄することで、汚水が排出されないよう、配慮を欠かしません。さらにサムイ島にあるリゾートホテル「Santiburi Beach Resort &Spa」を建てる際には、リゾート地が継続的に美しく保てるかを考慮し、住民と観光客にリゾート保護について知ってもらえるようにコミュニティセンターをオープン。このような取り組みを積極的に行い、ピピ島にあるマヤべイ、また国外でも展開しています。

 

成長が止まらないようですね
この3年間、大きな投資をしたことで、いくつかの施設が誕生しました。その一つが「SINGHA COMPLEX」。オフィススペースのレンタル・入居も始まり、この不動産収入をもとに新たに投資を手掛け、さらに大きく成長していくでしょう。

 

日本での展開についても、もちろん検討しています。旅行で訪れたこともありますし、一つのマーケットとしても、非常に興味があります。期間限定で楽しむリゾートではなく、年間を通して皆様に来てもらえる施設を造りたいですね。

 


SINGHA ESTATE
123 Suntowers Bldg B, 22nd Fl., Vibhavadi-Rangsit Rd., Bangkok
www.singhaestate.co.th
国内外で不動産賃貸・売却を目的とした開発や投資を行う。①商業ビル ②ホテル業 ③住宅事業 の分野で事業を展開

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