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【第73回】緊急業務届「15日働ける臨時ワークパーミット」

【第73回】緊急業務届「15日働ける臨時ワークパーミット」

長谷場:タイで働く(就労する)にはビザとワークパーミットが必要ですが、これらを取得するには時間がかかります。しかし、現実のビジネスでは「機械が壊れた!でも、修理ができる人は外国人しかいない。その人はビザもワークパーミットも持っていない!! これからビザを取ってワークパーミットも取得するとなると何日もかかってしまう。どうしよう…」ということが起こります。

ミィ:わぁ〜、修理できるまで、損害が出続けてしまいますよ〜。

長谷場:そのような場合に「緊急業務届」という届け出をすることで15日間だけ就労が可能になる制度があります。

ミィ:救済処置があるんですね。良かったぁ。

長谷場:この緊急業務届ですが、以前は「一度、届け出をしたら〇〇日間使えない」、「年に3回までしか使えない」といった噂があったんです。でも、調べてみたらそんなことはどこにも書かれていないんです。

ミィ:え? 都市伝説?

長谷場:そこで2015年に日本側から文書で雇用局に確認してみました。そうしたら文書で回答があると共に「覚書」という形で雇用局のウェブサイトにも掲載してくれたんです。

ミィ:どんな内容だったのですか?

長谷場:雇用局からもらった覚書には「緊急業務届に年間の回数制限は存在しない。緊急業務届を受領するかどうかは毎回の入国が“必要かつ緊急な事情という事実の有無”による」となっていました。

ミィ:要するに必要なだけ、何回でも申請できるということですね。

長谷場:はい、そうなんです。さらにこの時の文書でもうひとつ重要なことも確認できました。それはワークパーミットの更新時のタイ人従業員4人の雇用義務です。「ビザの延長条件」には原則として「日本人1人に対してタイ人4人を雇用しなければならない」というルールがあります。しかし「ワークパーミット更新の条件」にこのことは書かれていないんです。それなのに「ワークパーミットの更新時にもタイ人4人の雇用が必要」と認識されている日本人の方にたくさんお会いしました。

ミィ:タイ人4人の雇用ってよく耳にしますね。

長谷場:もしかしたら申請時に窓口で雇用局の従業員から指導があったのか、手続きの代行業者がビザとワークパーミットの両方の更新を行うため企業に同じ書類を要求していたのがいつの間にか“ワークパーミットの必要書類”となってしまったのかは分からないのです。覚書には「雇用局は労働許可証の発給審査にあたり、外国人1人の雇用に対して4人の比率でタイ人を雇用する原則を適用しない」ということを雇用局が明記してくれました。この覚書の内容は雇用局の関係機関に一斉に通知されたので、それ以降もめることは減りました。

ミィ:ハッキリして良かったですね。

長谷場:緊急業務届は15日間しか認められていなかったのですが、2018年3月に出された緊急勅令で15日の延長が可能になりました

ミィ:15日で修理が終わらないことも、ありますよね。現実に即した制度の見直しは、大事ですね。

—次回に続く